268日 東京都知事選と香港国家安全維持法
久々に時事問題について書きます。
日本では日曜日に東京都知事選がありましたね。
一方の香港では、先月30日「香港国家安全維持法」が施行されました。
この二つのできごとを見て、なんて世の中は不公平なんだろうと思いました。
「香港国家安全維持法」とは
国家安全維持法は、「中国政府が国家権力に対する深刻な挑戦とみなす動きに対応できるよう、香港において必要な法的枠組みを確立する」ための法律です。
この法律では、以下の4つが犯罪行為となります。
分離独立:国家からの離脱
反政府:中央政府の権力・権限を揺るがす行い
テロリズム:暴力や威圧行動
香港に介入する外国勢力との結託
【解説】 中国の「香港国家安全維持法」 香港市民が恐れるのは - BBCニュース
最高刑では無期懲役まで科されることに決まりました。
そもそも一国二制度とは
この法律によって、「一国二制度が揺るがされる」とありますが、そもそも一国二制度とは何か、おさらいしておきます。
中国の一部である香港に、中国本土とは異なる制度を適用することを指す。
1997年7月に英国から返還された香港に対し、中国は外交・防衛を除く分野で高度の自治を50年間維持すると約束した。香港は特別行政区として独自の行政、立法、司法権を有し、中国本土では認められない言論・集会の自由や、通貨やパスポートの発行権を持つ。
一方、中国は憲法にあたる香港基本法の解釈・改正権や政府高官の任命権を握るなど、香港をコントロールする仕組みも持っている。香港では、旧来の民主派議員が一国二制度を前提としているのに対し、中国からの自立を訴える一部の若者らは期限を迎える2047年以降は独立も含め住民投票で決めるべきだと主張している。
50年間だけ自治を認めるというのも不思議な制度だな…と思いますが、50年のたった半分でこの制度が破綻するような法律ができてしまったのだと理解しました。
周庭さんが心配
2014年の民主化運動「雨傘運動」を主導した周庭さん。彼女はこの法律が可決されてからこんなツイートをしました。
周さんは「2019年6月の抗議活動で、警察本部を包囲するようデモ隊を扇動した罪と、違法な集会に参加した罪」に問われていて、昨日、裁判で起訴内容を認めました。来月5日に判決が出るようです。一体どうなるのか…
私の大学の同級生に中国からの留学生が何人かいましたが、彼女たちから「Facebook、Twitter、ラインは中国に帰ると使えないんだ」と聞いた時は本当に驚きました。本当にいろいろなメディアが規制されているんだ、と。
私が書いているこんな文章も、中国で書くことはできないのかもしれません。もし見つかったら規制の対象になるのか?罪になるのか?そんな恐れを抱きながら発信することなんて、私には到底できません。
東京都知事選
翻って日本では、東京都知事選がありました。
投票率は55%でした。半分の人が選挙に行かなかったことになります。
有権者が100人なら、45人が投票に行かず、投票に行った人は55人。
小池さんに投票した人は33人、宇都宮さんは8人、山本さんは6人、小野さん5人。
せめて選挙のときくらい
民主主義を守らなければと言いたいわけではありません。ただ、自分の考えを自由に表明できる権利を持っているはずなのにそれを使えていないのは、本当にもったいないことなんだと、香港の様子を見ながら改めて思いました。
自分たちの未来を自由に選べる権利を持っている、未来を決めるために発信できる権利を持っているのに、その権利を使う方法がわからない、使う土壌がない。それが今の日本だと思います。
政治のことを発信すれば叩かれる、自分たちの未来を決める権利を放棄するのが当たり前になっている。
この環境を喉から手が出るほど望んでいる人たちが世界にはたくさんいるのに、簡単に放棄している現状がある。世の中はなんて不公平なんでしょうか。
常にこんなことを考えていられるわけではないですが、せめて選挙の時くらい、自分たちがどんな社会を生きたいかを真剣に考えなければ、と強く思いました。
一つ年下の周さんが、夢を語れる未来が来ますように。
私にもできることがないかチェックしておきたいです。